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ここは和ノ国。最高神天照の力を持つ者:皇一族によって治められている。
その者達を裏で支えてきた一族がいた。
『神の血族』
彼らはその身に神の力を宿し、人々の幸せのために働いていた。
干ばつの怒った地域に雨を降らしたり、病が流行った地域で手当をしたりと様々な種類のものがいたが彼らには巫女と呼ばれる長がいた。
『天一神の巫女』
天一神は天照と同等の力を持つ神で天照が表ならば天一神は裏で尽力をつくしている、といったイメージか。政治に関してはあまり表立って動きはしないが陰陽師達の手に負えない様な妖の相手や、儀式などを行う。
そして神の血族に付き従う者達
『四神の民』
玄武の鳥宮家、青龍の月宮家、朱雀の風宮家、白虎の花宮家の4つの一族だ。
と、言っても四神の力を受け継ぐことができるのは各部族の長と次期後継者のみだ。
他の者は普通の人間に比べ妖力が高く、神を視認することができるくらいだ。
長達はそれぞれの神の力を宿した武器『神器』を使い巫女の眷属として共に国の平和を作ってきた。
そんな歴史が刻まれてきたこの国の都『白花京』。
四神達が守護するそれぞれの方角を同じように四神の民達によって守られた和ノ国の首都ともいえる場所だ。
そんな都から南へ…小高い山々を越えた先にあるのは『朱雀』風宮の村だ。
そこには不思議な力を持つ少女が幽閉されているらしい……。
そんな噂をきいた人々は彼女の力を求め、山に入ったが、誰一人として真相をつかむことはできなかった。
そしてまた、風宮の村を訪ねる者達が…
昼間であればにぎわうであろう大通りを、ゆったりと歩く人影が3つ。
月明かりを頼りに歩を進め、山へと近づく。
先を行く一人が不意に立ち止まり、空に照り輝く満月を見上げた。
「……あなたと交わした約束、果たしにきましたよ。……細雪」
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