わたしの家族

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わたしの家族

「んっと、ここをこうしてっ…と」 かぎ針を使って、わたしは編み物をしている。 作っているのは毛糸の帽子。 九月も末になると、編みたくなる物だ。 編んでいる白い毛糸は、触り心地が良い。 かぎ針編みは、二本の棒針を使うより楽。 網目さえ数を間違えなければ、スイスイ編めてしまう。 「よし! 完成♪」 そして完成したのは、二つのボンボン付きのニット帽。 ボンボンの長さをハサミで切ってそろえ、紙袋に入れて、背伸びをした。 「ふわぁあ。さて、寝ようかな」 夕飯を食べて、おフロに入った後、つい編み始めてしまった。 寝る前にやるものじゃないな、と思いつつ、ついやってしまう。 かぎ針や毛糸を片付け、わたしはケータイを手に取った。 一応、メールが来ていないかチェックする。 集中してしまうと、周囲のことに全く気が向けなくなってしまうのが、わたしの悪いクセだった。 メールは来ていなかった。 でも時刻を見て、固まった。 五時半。 …ちなみにわたしがいつも起きるのは、六時だったりする。 「あ~、もうっ! またやっちゃった」 編み物はいっぺん始めると、止まらなくなる。 ついつい夢中になり過ぎて、寝るのを忘れてしまうことはしばしばあった。 「どうしよう…。三十分だけでも寝ようかな?」 でも寝たら、六時に起きれない自信があったりもする。
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