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「仕事、進んだの?」
「ああ…。今日には、渡せる」
「そっか。おフロで寝ないようにね」
「うん…」
ぼんやりしたまま、兄はお風呂場へ入って行った。
一階に戻ると、上から両親が下りてきた。
「おはよう、父さん、母さん」
「おはよう」
「おっはよ~。あ~、眠いわ」
両親は三階に寝室がある。
結婚して二十五年目になるのに、未だ同じ部屋で、同じベッドで寝ているんだから、本当に仲が良い。
「朝食、作ってくれたんだ。ありがとね」
母がわたしの頭を抱え込み、額にキスをする。
子供を大事に思ってくれる、ありがたい両親だ。
「うん、簡単なものだけどね」
「作ってくれるだけマシよ。上の二人なんか、料理したこともないんだから。全く二十歳を越えてんのに、何でこう子供なんだか」
プリプリと怒りながら、リビングに入っていく。
父は苦笑しながら、わたしの頭を撫でた。
「いつもありがとな。たまには私達で作るようにするから」
「いっ良いよ。料理好きだし」
照れる顔を隠しながら、わたしはリビングで朝食を準備し始めた。
五人分用意すると、姉と兄もリビングに顔を出した。
「おっはよー。ヤダなぁ、また徹夜しちゃったよ」
「オレも…。でも姉さん、テンション高いね」
「アンタは相変わらずテンション低いわね。よくそれでマンガ家が勤まるもんね」
「テンションと内容は関係無い…。ああ、性格は関係ある…かも?」
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