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「同情とかじゃなくて、頑張りやで、優しいさっちゃんに、小さなころ何度も助けてもらったから……」
「……!」
「今度こそ、私がさっちゃんを助けたいって気持ちを、押し付けちゃったんだ……」
(もしかして、夢で聞こえなかった言葉は)
……優美との思い出が、ぶわっと頭に思い浮かぶ。今まで、ふたをしていた、あの頃の思い出が。
それは、二人でいつも泣いて笑って、それを繰り返したたわいもない思い出で。
どうして、目を背けたのだろう。
理由は、分かり切っているけれど、そう思いたくなるほど、濃厚な記憶だった。
「さっちゃんがいたから、今の私がいるんだよ?」
「…………」
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