3人が本棚に入れています
本棚に追加
優美だった。よりによって、こんな間抜けな姿を見られるなんて。
「声を出す練習を、していたの?」
「…………」
あたしは無言で頷いた。そしてむせる。
「ゴホッゴホゴホゴホゴホッ」
「……無理しなくてもいいのに」
「……っ」
無理しなきゃ、いつかあたしは!
それにこのままじゃ、優美だって縛られて、自分の好きに生きられないじゃないの!?
優美は優しいから、あたしの面倒を見るんだ。きっと、何かきっかけができるまで。ずっと……。
最初のコメントを投稿しよう!