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家族が一堂に会した食卓で大貴は、皆に自慢気に「彼女が出来た」と言ったのだという。
良かったね、と祝福されることを想像して。
ところが、両親、更には二人の兄共に、東京の女に騙されている、と口を揃えた。
それだから面白くない。
不貞腐れて帰って来た大貴は、仕事中も大きな溜息ばかりついていたのだ。
そんなことを知る由もない旭は、隣のそれに苛ついた。
何か落ち込んでいるのか、と瞳子に問うたが分からない。
結局花村も誘い食事をし、ようやく彼に口を割らせたのだった。
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