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「ねぇ、優」
「ん?」
「昔さぁ、私が毅といた時に会ったことあったでしょう。覚えてる?」
「あぁ、お前が離婚する前の話だろ?」
「そう」
クッキーを乗せた皿を間において向かい合った二人は、熱い茶を啜りながら昔の話を始める。
離婚をする前に一度だけ見掛けた、あの光景。
その時の話を旭はしようとしている。
全然旭に似合っていなかったあの男に苛ついたあの日のことを。
まだ思い出すとムカッとする優を、クッキーに描かれたペンギンが無機質に笑っている。
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