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「何だか毅ね、優のこと覚えてたみたい」
「へ?別に挨拶した記憶もないけど」
「あぁ、そうだよね。私に何だかムカつくことを言って帰っただけ、だったと思うんだけどね。その時、毅のこと睨んだ?」
飲もうした茶を吹き出しそうになり、グッと堪え飲み込んだ。
睨んだか睨んでないか、で言えば、多分睨んでいたのだと思う。
それはきっと無意識に。
面白くなかったし、『何だよ、あの男』と苛ついた。
正確にはどうだったか覚えてないけれど、笑顔でなかったのは確かである。
「いつの話だよ。覚えてねぇよ」
「あ、そう?そうだよねぇ。毅がさ、優に睨まれてムカついたって言うからさ」
「そんなん……よく覚えてんな」
「思い出したみたいよ。印象に残ってたみたい」
覚えられているとは思わなかったが、今更掘り起こすものでもない。
あ、まさか。
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