番外編3-3 ありがとう

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「何だか毅ね、優のこと覚えてたみたい」 「へ?別に挨拶した記憶もないけど」 「あぁ、そうだよね。私に何だかムカつくことを言って帰っただけ、だったと思うんだけどね。その時、毅のこと睨んだ?」 飲もうした茶を吹き出しそうになり、グッと堪え飲み込んだ。 睨んだか睨んでないか、で言えば、多分睨んでいたのだと思う。 それはきっと無意識に。 面白くなかったし、『何だよ、あの男』と苛ついた。 正確にはどうだったか覚えてないけれど、笑顔でなかったのは確かである。 「いつの話だよ。覚えてねぇよ」 「あ、そう?そうだよねぇ。毅がさ、優に睨まれてムカついたって言うからさ」 「そんなん……よく覚えてんな」 「思い出したみたいよ。印象に残ってたみたい」 覚えられているとは思わなかったが、今更掘り起こすものでもない。 あ、まさか。
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