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「もう今思い出してもムカつくわ。ただ街中でちょっと話しただけでさぁ、浮気だって大騒ぎして。信じてなかったのよ、毅は私のことなんて。それで自分が浮気するんだから、何なんだって話よね」
「そう怒るなって。でも何かさ、あの人変わったよな。俺、ほんの一瞬しか見てないようなもんだから、よく覚えてはないけど。あんな感じの印象ではなかったよ」
「うん、まぁそれはそうね。昔はもっと、外見ばっかり気にしてたしね。あんなシャツ着たことなかったもん。私と離婚をして、色んな苦労をしたんでしょうね。ほら、子供も生まれたから、今までと同じって訳にはいかないでしょう?それから更に、また離婚だからね」
「おぉ、まぁな。本当に反省したのかも知れねぇな」
だといいけど、と笑った旭は、イルカのクッキーをつまむ。
優にとっては嫌な奴でしかないが、彼女にとっては一度は決意して選んだ相手。
本当に何もなかったことが分かると、優はホッとしていた。
あんなに『今の幸せを壊せるはずがない』と自信を持っていたくせに。
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