番外編3-3 ありがとう

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「それにしても、優もよく話をさせたわよね」 「んん、確かに。でも何て言うか、切実そうな顔してたからさぁ。こんな偶然二度とないだろうし、と思って」 「まぁね。でも私も謝れたし、良かったわ」 「え?旭が謝ったの?」 「うん。私もあの人を知ろうとしなかったくせに、何で分かってくれないんだろうって、いつも思ってたから。あの時気付けてたら、私たち離婚しなかったかなぁって。何かちょっとしみじみしちゃった」 旭が離婚をしなかったら。 優はずっと『ムカつく同期、花村』と思われていただけで、今の幸せなどあるはずもない。 それは優にとっては、ぞっとする話だ。
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