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「でもさ、それが出来なかったから離婚をしたのよねって。別れた時間があったからこそ、互いに謝れたんだと思うし。正解も何もないけれど、これで良かったのかなぁってさ」
「おぉ、そっか」
「うん、今ホッとしたでしょ」
「はぁ?別にお前が離婚しなかったら、他の誰かと結婚したまでですぅ」
「ほぉ、言うねぇ」
旭は余裕の目付きで、優を見ていた。
「ねぇ、優。本当はあの時、毅のこと睨んだんでしょう?」
「は?覚えてねぇわ」
「ふぅん。それならちょっと、嬉しかったのにな」
「そ、そう?」
「うん……睨んでたのね」
見透かされた優は、顔を赤くして怒った。
そんな過去の話今更なんだ、と。
旭は涼しい顔をしてそれを眺め、ゆっくりと茶を啜っている。
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