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「優、ありがとう」
「ん?何で」
「毅を睨んだ気持ちが何なのかは分からないけれど。でも、きっとあのまま夫婦でいても、私たちは幸せではなかったから。簡単に浮気をするような男よ?子供が出来る前で、本当に良かった」
力なく微笑んだ旭を、優は久しぶりに見た気がした。
最近では、母強し、という言葉が良く似合うくらい頑張っていて、こうやって儚い表情をすることが減ったのだ。
旭の中で『あの結婚』は過去だけれど、消えたわけではない。
そんな大事なことを、優は忘れてしまっていた気がした。
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