1 刺激

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「花村、今日は帰る?」 「え、帰って欲しいの?」 「あ、いや。そういうわけではないけれど」 今日は金曜日だから、泊って行く? そう聞けば良かったのは、分かっている。 それなのに、何でだろう。 そう言うことが出来なかった。 「そういうわけではないのなら、まだ一緒にいてもいいですかね」 下を向いた前髪の隙間から、意地悪に私を覗き込む顔が見える。 そして、あの長い睫毛が揺れた。
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