あの日、君と見た桜を

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「はなむ……」 彼女が自分の名を呼び終える前に、花村は唇を塞いでいた。 離れないように彼女の手を引き、連れ帰った自分の部屋。 いつ見ても殺風景のこの部屋は、薄いカーテンの向こうの静かな街と同化している。 車の走る音。 五階の部屋にまで聞こえる声。 いつもは煩わしいそれも、今日はどうだって良かった。
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