3 告白

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「誕生日、が……一日違いだったんです。その誕生日に出会って、付き合うようになった。今となっては性格も合わなかったんですけど、当時は感性の違う彼が凄いなぁって。年も上でしたし、私の知らないことを知っているような気がしたんですよね」 「なるほどねぇ。ロマンチストが良かったわけじゃないんだ」 「うぅん、考えたことなかったですけど。それも好きだったのかも知れませんね。ロマンチストの人って、こう言葉とかで、ちゃんと表現してくれるじゃないですか。私には、それがとても嬉しかった。きっと、愛されている形が欲しかったんだと思います」 そう言って、小山内は苦笑いを浮かべる。 若かったんでしょうね、と付け加えて。 花村は机の下で、彼女の右手を包み込んだ。
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