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『真弓はね。きっと、小山内が可愛いんだと思うよ。自分と重ねてみていたところも、勿論あるとは思うけれど。だから、迷惑じゃなかったら、これからも同じように過ごしてやってくれないかな』
長谷川のメッセージを見つめ、旭はまた真弓を思った。
人生の経験値を貯めながら大人になるのだとしたら、無駄なことはない。
彼女はそう言っていた。
離婚も同僚と仲良くするのも、全てこれからの人生のための経験値なのだ、と。
『私の方こそ、真弓さんがいてくれて、色々乗り越えられたと思っています。迷惑だなんて思いませんよ。私には兄弟もいないので、とても良いお姉さんが出来て嬉しいんです。だから、これからもよろしくお願いします、って伝えてください』
そう送ってから、旭は再びメッセージの作成をタップする。
『いつもいつも、本当にありがとうって思っています』
新たに癖をつけるのは、意識しなければ完成しない。
ごめんなさいではなく、ありがとう。
容易なようで、これは難しい。
つい口をつく『ごめんなさい』が、本当に気軽に飛び出てくるのだから驚く。
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