4 反芻

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『真弓はね。きっと、小山内が可愛いんだと思うよ。自分と重ねてみていたところも、勿論あるとは思うけれど。だから、迷惑じゃなかったら、これからも同じように過ごしてやってくれないかな』 長谷川のメッセージを見つめ、旭はまた真弓を思った。 人生の経験値を貯めながら大人になるのだとしたら、無駄なことはない。 彼女はそう言っていた。 離婚も同僚と仲良くするのも、全てこれからの人生のための経験値なのだ、と。 『私の方こそ、真弓さんがいてくれて、色々乗り越えられたと思っています。迷惑だなんて思いませんよ。私には兄弟もいないので、とても良いお姉さんが出来て嬉しいんです。だから、これからもよろしくお願いします、って伝えてください』 そう送ってから、旭は再びメッセージの作成をタップする。 『いつもいつも、本当にありがとうって思っています』 新たに癖をつけるのは、意識しなければ完成しない。 ごめんなさいではなく、ありがとう。 容易なようで、これは難しい。 つい口をつく『ごめんなさい』が、本当に気軽に飛び出てくるのだから驚く。
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