3年C組

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冬の冷たいそよ風がすっかり忘れていたことを思い出させた。 「教室で体操服干してたの忘れてた」 僕は一緒に帰っていた友達にそう言うと、すぐに学校に戻った。 教室に行く前に職員室によった。多分教室はもうみんな帰ってしまい、鍵がかけられていて職員室に返されているだろうと思ったからだ。中を見ると担任の先生は座ってパソコンをいじっていた。 「先生、体操服の鍵を忘れたから教室の鍵を借してくれよ」 「貸してくださいだろ、こっち来い遠藤!」 近寄っていくと肩を叩いて揉まれた。それが結構強かったので少し痛かった。 「ごめんじゃん、先生。普段だったら置いて帰ったんだけど明日って土曜日だろ。2日も置いといたら先生みたいな匂いになっちまうよ」 「このやろ、反省してないな」そう言うと先生はさらに力を入れてぐりぐりと肩を揉んできた。痛くて思わず「ぎゃっ」という声が出た。 「反省してます、反省してます。許してください」 「ははははは」先生はまだ揉み続けている。 「許してー、放してー!」 「ははははは」 「痛いよー、放してー、痛いよー」 「ははははは」 「放せよ!」僕は我慢できなくて強引に手を払いのけた。 「ごめんごめん、ははは」先生は満足そうに笑った。 「先生、鍵貸してくださいよ」 「うん?ああそうだったな。それがまだ返ってきてないんだ。教室開いてると思うぞ」 「なんだよそれ!」 そう言うと先生の手がまた肩にすっと伸びてきたので、それをさっと避けて逃げるように教室に向かった。
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