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しばらく遊んでいるうちに、希望は眠たくなってしまった。だんだん動きが遅くなって、ふらふらしてくる。最近は暖かくなってきた日差しが希望をぽかぽかと眠りへと誘い込む。
楽しかったけど、もう帰ろうかな。と希望はお家の方へ歩き出した。眠るのは、お気に入りのソファの上で、お気に入りの毛布を用意しないと眠れない。だからお家に帰らなければ。希望はこの心地よさのまま眠りたかった。
それに、実を言うと希望は寂しがり屋だった。一匹で遊ぶのも好きだが、ずっと一匹でいると時々とても寂しくなってしまう。生まれた時から希美にくっついていたし、ユキもいつもすりすりして一緒にいてくれた。寂しいと死んでしまうかもしれない、と希望は思った。
そろそろいいかなぁ、と誰に言うまでもなく家まで戻ってきて、こっそり窓から中を覗いてみる。
カーテンの隙間から、少し離れたところでユキの真っ白い尻尾が揺れていて、希美の黒い尻尾も絡み付いていた。あれ、尻尾だけじゃなくて、なんだか身体全体が揺れている、気がする。
……あ、やめとこ!!
希望はもう一度そーっと窓から離れて、急いで走った。
衝撃的な光景に、希望はボールのところまで戻ったが、そこからはふわふわふらふらと通り過ぎてしまった。眠気も覚める、一撃だった。あー、えー? と希望はパンクしてしまった頭を何とかして正常に機能するよう努める。
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