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レモンのお白湯ですっかり体は温まった頃にね、こうやって真っ直ぐ立って──こう言ったの。
あなたのチョコレートが見つかりました、って。
ここの仕組みがわからなくて首を傾げたわ。
それから後ろを向いて、そう、ここが調理場なの。
おかわりのお白湯をいただきながら待ってたら──……はい、ここまで! ここから先はあなただけのものだからあたしが言ってしまうのはもったいないわ。
ううん、感じてほしいの。
んふふ、オチがなくて残念って顏してるわね。
大丈夫、今日はあなたがお客様だから。
お白湯のおかわりはいかが?
──さぁ、マスターが帰ってきたわ……。
────
背中から、がらん、とドアベルが鳴った。
本当に真っ白な髪で、黒いコートに黒いズボンのいでたちの男の人──マスターが帰ってきた。
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