寂しいよ

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 ニコニコ顔の、大好きなママ。  あたしは、ママに話したい。ママ、聞いて欲しい。ママと、お話しがしたい。ママが、パパとどんな恋をしたのか、本当は聞きたいの。  でも、ママは、まだあたしのこと、小さな女の子と思っているみたいで、ちょっと、寂しいです。  ママ、あたしは、遼ちゃんが好きなんだよ。いつか、聞いてね。  ローストチキン、ローストビーフのサラダ、ピラフ……。テーブルからはみだしてしまいそうなお料理。パパがいなくても、すごいごちそうです。 「遼ちゃん、遅いわね」  グラスを用意しながら壁かけ時計を見たママが言う。あたしは、うん、って頷いて窓の外を見た。お外はもう真っ暗で、練習はとっくに終わっている時間。  遼ちゃん? うちに、来てくれないの? ちょっと不安になってしまう。 「遼ちゃんは先生だし、きっとお付き合いだってあるのよね。それに、もしかしたら恋人だっているのかもしれないもの。私達にお付き合いもしていられないのよ」  え、恋人。  あたし、遼ちゃんのこと、分かっているはずなのに、胸にズキンという痛みを感じてしまった。
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