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どき。
おばさんに、ひよちゃんはお家にいてねと言われてて、とはママには言えない。
「あ、うん。えっと、仲良しのお友達、はね、えっと、みんななんだか用事がある、みたいで、だから、あたしはー、いいかなって思って。それに、パパが今日はでかけちゃうんだもん。ママ、一人になっちゃうでしょ?」
しどろもどろになっちゃったけど、あたしはそう言って、アハハってごまかすように笑った。でも、ママが一人になっちゃうって思ったのは本当だよ。
ママは、そうなの? と目を丸くしてたけど、すぐに優しく微笑んた。
「ありがとう、ひよちゃん。パパがいないクリスマスもたまにはいいわね。ひよちゃんがこうして一緒にキッチンに立ってくれたんだもの」
ママの幸せそうな笑顔、あたしも嬉しくなる。
ママとパパは、ずーっと昔、あたしが生まれる前からずっと一緒にクリスマス過ごしてきたんだもんね。たまには、いいよね、パパ。
そんなことを思いながら、あたしはレタスを洗って、ちぎってボウルに入れる。次はなにをしたらいいかな? ってママを見ると。
ママは、どんどん色んな作業を進めてく。ママの手には、まるで魔法の杖が握られてるみたいです。
「ひよちゃん、じゃあこのボールに卵……そうね、3つ割って溶いておいてね」
「はーい」
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