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遼ちゃん。どうして? 信じているはずなのに、不安になるの。ずっと、遼ちゃんとお話ししていないから。遼ちゃんが、すごく遠くなってしまったから。
あたしが窓のところに行ったとき、電話がなって、ママが直ぐに取った。
「はい、宮部です。おケイちゃん?」
おばさんからのお電話?
「え、人手が足りないの? 私? え、でも、ひよちゃん一人になっちゃうから……」
ママ、困った顔してる。おばさん、ママにお手伝いを頼んだみたい。
ママは、たまにおばさんのお店のお手伝いをしに行っているけど、今夜? これから? あたし、一人になっちゃうの?
でも……おばさん、困ってるよね。
「ママ、いいよ、あたしの心配はしないで。そのうちきっと遼ちゃん来てくれるし」
「ひよちゃん……」
ママは眉を下げて困った顔をしながら、ひよちゃんごめんね、って手を合わせて、
「わかった、今から行くわね。でも、そんなに遅くまでは付き合えないわよ」
そう言いながら電話を切った。
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