1174人が本棚に入れています
本棚に追加
或斗は、朝比に教わったコマンドをひとつひとつ声に出して説明した。
Come、朝比の元へ近寄る。
Stay、その場で待つ。
Kneel、おすわり。朝比の足元でおすわりをする。
StandUp、立ち上がる。
Shush、黙る。
授業でも習った基本的なSubの動作を、或斗は朝比に習いなおした。
ロクに授業も聞いていなかったので、これだけの動作を記憶するのは、或斗にとって大変なことだった。
「……合ってる?」
そう首を傾げながら朝比を見上げると、大きな手がポンと頭の上に乗せられて……「合っとぉよ。よう覚えられたね」と、或斗の髪を優しく撫でてくれた。
朝比は、ちょっとした事でもすぐに褒めてくれた。
イイ子イイ子、とほめながら大きな手で頭をふわふわと撫でてくれる。
それがとても心地よくて、身体が温かくなっていく。
今までこんな風に甘やかされたことのない或斗は、優しい朝比が大好きだった。
最初のコメントを投稿しよう!