お仕置き

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「なにやってんの、って。こっちのセリフだよねぇ? なにやってたの? 或斗」 「………っ……。せ、生徒会、は?」 「僕の質問には答えないんだ? 僕は答えてあげるけど。生徒会は短縮で早く終わったんだ。1時間前くらいにね」 *  生徒会がいつもより早く終わって、菜摘は機嫌良く帰宅するはずだった。  今日は、以前行われたダイナミクス検査の結果が封書で各家に届く日でもあり、家のポストを覗くと、ピンク色の封書が入っていた。 (全くもう、或斗ってばポスト確認してないじゃんか)  てっきり、或斗が家に居るものと思って、菜摘は玄関ドアを開けようとした。しかし、鍵がしっかり閉められた玄関が開くはずもなく、菜摘は違和感を覚える。  いつも、或斗が先に帰宅している時は、鍵を開けておいてくれるのに……。  間違えて閉めちゃったのかな、とも思い、鍵を開けて家の中に入ったが……そこは静まり返っていた。  足元を見降ろして、靴がない事に気づいて、すべてを察した。  或斗は、朝比(あいつ)に会いに行ったのだ、と。
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