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一通りの一方的なプレイを終えて、或斗は地面に転がされた。
横向きに転がると、胃酸がこみあげてきて「ウッ……」と身体が痙攣しだした。
「お゛ええぇッ…ゲホ、うぇ……ッ」
堪えきれずに噴出した吐瀉物は、血の赤が混じっていて、自分の口から吐かれたものとは思えなかった。「汚ねぇ」と嗤う声が聞こえて、或斗は悔しくて涙をボロボロと落とす。
もういやだ、もういやだ……と、心の中で何回もリピートして、でもどうすることも出来なくて、ただただ泣いた。
すると、そんな或斗をみたアサヒが、ふっと微笑んで立ち上がる。
服のホコリを払うようにぱんぱんっと軽く叩いて、「そろそろ学校行かな」と似合わないセリフを吐いた。
「ひえっ、まじっスかー、アサヒさん偉いー」
「はは、一応受験生ばい。こーみえて勉強しとーちゃん」
助かった。
或斗は心の中で安堵のため息を吐く。
終わった、地獄みたいな時間が、やっと終わった。この男達から解放される。
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