微S執事と僕の日々3

16/74
前へ
/74ページ
次へ
 優しい、と褒められた昴は、ぽっと頬を染め、ふぃと目線を反らして手にしたぶどうを突き出した。 「僕は、優しいに決まってる。ほら、ぶどうだって分けてあげるんだから」  優しい、なんて。  初めてそんな言葉を他人からもらった。  美しい、とは飽きるほど聞いてきた褒め言葉だが、優しい、なんて。  その内面を、心を褒められるのは初めてだ。  何だか、照れくさい。
/74ページ

最初のコメントを投稿しよう!

104人が本棚に入れています
本棚に追加