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ふと気づくと、自分の方には山のように皮が積み上げられているのに、暁斗はその半分も食べていない。
せっかく彼に食べさせようと思って持ってきたのに。
今さらながら、我慢することの苦手な自分を恥じる思いだった。
ぶどうを食べ終わった頃には日もとっぷりと暮れ、昴はある事に気が付いた。
『明日の夜も、会ってくれるかな』
『申し訳ございません。明日の夜は、用がございます』
そういえば、今夜暁斗には何か用事があるのだった。
でも、戻りたくない。
このままずっと、一緒にいたい。
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