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「うそ……」
猫アレルギーの竜くんがあたしのためだけに薬を飲んでまで、連れてきてくれた。
「茜の喜ぶ顔が見たかったんだ」
「だからってそんな無理して……」
「茜のためなら俺は頑張るよ」
さっきまで沈んでいた気持ちが一気に花開く。
「はぁー、ビビった。猫アレルギーだと茜といれないのかもと思って焦った」
「そんなわけないよ」
「でも、俺のことで泣いてくれたんだな」
嬉しそうな表情を浮かべて、あたしの涙を拭う。
「竜くんといられないなんて嫌だもん……」
「ありがとう。茜。俺も茜とずっと一緒にいたい」
今回のことで改めてわかった。
自分がどんだけ竜くんのことを想っているのか。
竜くんの隣にあたしじゃなくて、あの人がいて。
そんな想像するだけで悲しくなってしまう。
竜くんの隣にはずっとあたしがいたい。
「ずっと隣においてね」
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