モノローグ

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人は愚か過ぎる。 分かりはしないのに平気で言う。 「分かるよ貴方の気持ち」 と……。 平気で嘘をつく。 糞みたいなものだ。 人は鈍感過ぎる。 体験したことしか、受け入れる事が出来ないのだから。実際に経験して、始めて物事を理解し、受け入れる事が出来るのだ。 僕もそうだよ。 今回初めて大切な物を失った人の気持ちを理解し、受け入れる事が出来たよ。 悲しすぎるよね。 失ってから分かるなんて……。 そういう意味では、人間ほど悲しすぎる生き物て、他にいないかもしれないね。 僕が失った大切なもの……。 それは、僕の妹だ! 妹は死んだ……。 いや、殺された! 僕の目の前で動けない君にね。 それにしても、原形を留めずに発見された妹を見た時の衝撃は今でも忘れられない。いや、一生忘れることなく、僕の心を抉り続ける刃となるだろうね。 君は妹だけでなく、僕の未来も奪ったんだよ。 許す、許さないのレベルでは済まされない。 それに、君の家は金持ちだから、いざとなれば良い弁護士がつくだろうし、糞みたいな法律が君を守ってしまうからね。 だから、この狭苦しい空間で僕が法律になるよ。 分かってるよ。こんなことしても妹は戻ってこない。そう言いたいんだろ。 理解しているさ。 僕自身が救われこと何て無いてことも……。 心に空いた大きな穴が塞がる事なんてないてことも……。 時間が解決してくれる……。 嘘だね。 あり得ないよ。 時間が与えてくれるのは苦痛だけだ。 だから、決めたよ。 少しでもこの鬱蒼とした気持ちが晴れればそれで良いと。 それじゃ、始めるよ。 たっぷりとお返しをさせてもらうよ。 今から……。
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