貴方はどちらですか?

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「何を言っているんだ!? 私はドラゴンで……!」 「貴方は私達の事を食べないと言いました。だから、私達は家族になれると思って」 「それは、だが……」 離れようとするドラゴンを強く強く抱きしめて、娘は優しく続けた。 「私は家族になるのに、種族なんて関係ないと思います。貴方には人間の心がある。それで充分」 娘はドラゴンの顎の辺りを愛撫する。何度も撫でる内に、ドラゴンは気持ち良さそうに目を細めた。 「それに、姿形はまやかしだって、聞いたことがあります。大事なのは気持ちだって。心だって……!」 「それは……」 激情になるドラゴンに負けないように、娘は声を振り絞った。 「だからこそ、私は敢えて聞きます。貴方は……」 娘はドラゴンから離れると、その水色の光をじっと見つめた。 「貴方は、人ですか? それとも、ドラゴンですか?」 「わ、私は……」 ドラゴンはしばらく、口籠もったが、覚悟を決めて言い放った。 「私は、人だ……私は人間だ!」 そうして、ドラゴンから真っ白な霧が溢れてきた。 娘は腕の中の少女を庇いながら、その場に伏せたのだった。
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