娘の話

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娘の話

私はこことは違う世界からやってきました。 どこが違うのかと具体的に聞かれても困りますが、まるで違うのです。 私は元々いた世界では、OLをしていました。 OLって何かというと……そうですね。 会社……はこの世界には無いので、働いている人達を補佐する仕事、と言えばわかりやすいでしょうか? その日も、いつもの様に仕事に行って、上司に怒られて、家に帰って美味しいものを食べて、明日に向けて寝るだけ……。 だと、思っていました。 私は自宅のベッドに寝ていた筈でした。 しかし、目が覚めると、そこは見慣れぬお城の一室でした。 目が覚めた私はメイドに連れられて、王様の前に連れて行かれました。 そうして、ここが異世界である事、私はその国を救う為に異世界から召喚された事を知りました。 正直、「国を救う」と言われても、何をすればいいのかわかりませんでした。 私を召喚した魔術師達は、「異世界から召喚された者は、何か常人とは違う能力を一つ持って召喚される筈だ」としきりに話していました。 しかし、私には何も能力がありませんでした。 知力、体力、魔力、何でも試しました。 けれども、私には何もありませんでした。 最初は苦笑いだった魔術師や王宮の人達だけではなく、次第に王様まで愛想を尽かしました。 そうして、再度、召喚の儀式が執り行われたのです。
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