娘の話

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私と同じ異世界からやって来たのは、十八、九歳くらいの女子大生でした。 彼女はこの世界に召喚された時から、類稀なる魔力と能力を持っていました。 そうして、その国の危機を救ってしまったのです。 彼女を祝福するパレードの最中、私は自分が惨めでなりませんでした。 私は何も役に立たなかった。 出来損ないだった。 彼女と比較されて、無能だと言われている様でした。 この時は、毎日がとても辛くて、そこにいるのも、生きていることさえ辛かったです。 国を救った彼女は、王様から第一皇子との結婚を勧められていました。 その一方で、私には王様の代理でやってきた魔術師から、ある取り引きを持ちかけられました。 「救世主でも、何でもない貴方がこの国に居ても、これ以上、役に立つ事はないだろう。それどころか、異世界から来た人間が二人居てもややこしいだけだ」 そうして、魔術師はこう告げたのです。 「この国を出て行って欲しいと」
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