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瞬間、動揺したけれどカメラから目線は外さなかった。
そうして根気強くレンズを覗き込んでいると、その内に僕がゆっくりとこちらに振り向いたのだ。
そこに在ったのは、ずっと捜し求めていた光景、輝くような笑みを浮かべる僕と、まるで生きているかのような、全てに息づいている風景。
その光景に見惚れながらも、夢中になって、何度も何度もカメラのシャッターを切った。
初めて遭遇した、捜し求めていた光景に、カメラを下ろした僕の瞳から、大粒の涙が零れ落ちる。
胸を打たれるような瞬間に、遂に今、立ち会う事が出来たのだ。
現地の人達にお礼を言い、最高の写真を持ってまたお邪魔しますと告げて、逸る気持ちを抑えながら日本へと帰る飛行機に飛び乗った。
――早く、早く現像して見たい。
それはいつか見た、あのフォトグラフィがもたらした感動のようでいて、そうでないような、何とも表現し難い焦燥感だった。
足早に帰宅した僕は早速現像に取り掛かるが、写真は専門店には出さず、自分で慎重に扱う事にした。
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