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『大貴様起きて下さい!』
軽く布団を揺さぶると「ん~」と寝ぼけた声で手を伸ばす。毎度のことながらかその手を掴んで引き起こす。だが‥。今日は引っ張られたのはなぜか私。布団の上から大貴様に被さる形になって慌てて離そうとした体も腰に手を回された腕に押さえつけられるように。
そして私の頬に唇を当てた。
『っ、!/////』
ドンッ っと胸を押して何とか起き上がれば同じく起き上がった大貴様が。
「ごめんごめん笑寝ぼけてたわ笑」
なんて白々しい嘘をつきながら悪びれもなく笑って見せる。少しだけ波打つ胸を抑えながら振り返れば反対側に位置するベットには
今の喧騒でもビクリともしないでスヤスヤ眠る涼介様。
『涼介様起きてください!』
同じように肩を揺すれば、まだ眠そうな目をうっすら開けて大貴様と同じように手を伸ばす。今日は寝起きいいな。と思ったのも束の間。
《ちゅぅしてくれたら起きる》
『なっ、!//っしませんっ、!/////』
握った手がグッと強くなって咄嗟に後ずされば反動で逆に涼介様の腕の中。
《大ちゃんとはしてたのに?》
『見てたんですかっ?/////』
耳元で囁かれてさっきの熱にまた新たな熱が増える。上書きでもするかのように大貴様と全く同じ場所にキスされる。
「おいっ何してんだよ!」
後ろからグイッと引っ張られ、今度は大貴様の腕の中。
《邪魔すんなよ大ちゃん》
「どっちが何回いったら分かるんだよ〇〇は俺の女だ!」
《は?俺の女だし》
私を挟んだ状態で顔の少し上で二人の視線が交差する。俺の、俺の、そればかりが飛び交って二人分の熱が重なって頬がジンジンと疼く
《「〇〇」》
私を呼ぶ声まで一緒、いつものごとく、どっち選べ。そう聞かれる前に
『朝食の準備をして参ります』
逃げるように部屋を後にした。広い台所に立ち、既に出来上がっている料理をお皿に盛り付ける。
「〇〇」
その声に逃げようとした時にはもう手遅れで、大貴様の腕の中だった。
『は、離してください//』
「やだぁ」
幼い子供みたいに駄々をこねる姿は寝起きだと更に酷くて。
『準備が出来ません』
「飯なんていらない」
『ダメですよ』
「じゃあ〇〇食べさせて?」
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