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そうして交換した電話番号とメッセージアプリのアドレス。
家に帰って何かメッセージを送ろうとしたが、何をどう送ろうかと悩んで悩んで一時間という有様だった。
でもせっかく交換した連絡先だ。
もう二学期までは会えないと、落ち込んでいた俺にとって降って湧いたチャンス。
好きな女の子と夏休みに会えるチャンスなんて、滅多とない。
デート……なんて己惚れでは無いが、どうにかして宿題を写させる以外に遊びに誘えないかと思案する。
だが、これまで女子と付き合ったこともない俺には、どう誘ったらいいのか皆目見当がつかなかった。
「……とりあえず、週一回宿題の為にという体で誘おう」
スマートフォンを操作し、メッセージを入力していく。
『宿題一度で写すって話だったけど、それって大変じゃない? だってすごい量があるよ?
それで考えたんだけど、週一回くらい図書館で一緒に宿題をするってのはどうかな?
もちろん茉莉にも予定があるだろうし、時間があればでいいんだけど。ほら数学とか古文とか結構考えないといけないヤツとか、丸写しだとバレそうなやつとかあるでしょ。
だから何回かに分けてやったほうが、負担も少ないと思うんだよね。
……中略』
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