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再びスマートフォンを手に取り、メッセージアプリと向き合う。
自分はどうしたいんだ。どういう話をしたいんだ。
正直照れくさいし、断られたり嫌われたりしたら……。と思うと心が折れそうになる。
「でも勇気を出さないと、前に進まないよな……。悩んでたら、立ち止まったままだ」
一文字ずつスマートフォンに入力していく。
そうだ、さっきの限界ギリギリ、太ももが弾け飛びそうなほどキツかったスクワットに比べれば、こんなの簡単じゃないか。
『まとめて宿題やるのは大変だから、週一回ペースでやっていこう。
来週どっかで会わない?』
うおおおおお、送信!
時間を置いたら、絶対に送れなくなる。これは実質デートに誘ってるようなもんじゃないか。
当たって砕けろ。
もしかしたら本当に砕けるかもしれない。
でもそうなったら、夏休みの間にゆっくり癒すさ……。
それくらいの覚悟で、メッセージを送信した。
「だーっ!」
返信がこわくて、スマートフォンをベッドに投げる。
もふっ、とスマートフォンはタオルケットの上を転がった。
どうなるだろう。
『え、やだ』
などと、今までの数ヶ月の交流が泡沫と化す返事が返ってくるかもしれない。
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