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チャイムが鳴り、数学の教師がやってくる。
奏は返してもらったノートを開いた。
数学星人逆三角と書かれた、先生そっくりの怪人が問題を投げつけてくるイラスト。かなり本気で描かれたものだった。
「ぅぐ」
奏は口を押さえ、笑い声が漏れないように必死に堪える。そうだった、油断していた。前に視線を向けると、まるで奏の様子を見ていたかのように伊月の肩が笑いで震えている。
奏は頬を膨らませてその背中を睨んだ。絶対にわざとやっている。でもそれがくすぐったくもあった。何と言っても、伊月の仕掛けた笑いの罠の標的は自分なのだ。
ふと、他のノートに何が書いてあるのか気になった。
机の中からそっと取り出すと、見たことのないキャンパスノートが挟まれている。不思議に思ってそれだけを手元に残し、ページをめくってみた。
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