伊月くんからのお返し

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「えっ!?」 思わず大声が出てしまった。 クラスの視線が一気に奏に集まる。 しまった、と奏は口を押さえた。 「何ですか?」 数学教師の鋭い視線に真っ青になる。水を打ったかのように静まり返った教室。 「すんません」 目の前の伊月がスッと手を挙げた。 「俺のオナラです」 「…………!」 まるでクラス中が爆発したかのように笑いが噴き出した。数学教師まで笑いを堪えるべく顔を引き攣らせている。 どんな音だよ!? やっぱ伊月いないとダメだな! 後ろの立川さん、息できなくなってるじゃん! 男子が笑い転げた。伊月オナラ騒動で数学は残りの時間授業にならなかった。
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