26人が本棚に入れています
本棚に追加
翌日の朝、担任からノートを返された。
話によると、伊月が入院している病院は無精髭の家の裏にあるらしい。もらったその日のうちにノートを書き写させ、両親が翌朝までに彼のうちのポストに入れておいてくれるそうなのだ。
「コピー渡せばいいんだけどな。そうやるとアイツ絶対勉強しないから」
無精髭はそう言って盛大に笑った。
入院中も勉強を怠ることなかれ。
受験生はツラいよ。
一時間目の数学の授業が始まり奏はノートを開く。すると、そこには男子の字で落書きしてあった。
俺が骨折した理由は……
ブレイクダンスを練習していて、机に足をぶつけて、棚の上の重たいトランクが落ちてきたからです!
そして矢印が次のページに引っ張られている。操られるかのようにページをめくると、そこには伊月の似顔絵(某人気アニメのケン◯ロウ風)が。
嘘です
吹き出しにそう書かれていた。
最初のコメントを投稿しよう!