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本当のこと
伊月の志望校はバスケの強豪校として毎年インターハイに出場している。実は伊月が所属するバスケ部も、今年は中体連の全国大会に出場できるのではないかと言われる「最強メンバー」が揃っていた。彼自身は背番号に4番を付けて活躍していた。
今チームメイトは来月から始まる地区予選に向けての練習で汗を流している。
ノートを貸すようになって三週間。来週伊月は退院する。奏は少し寂しくありながらも、太陽のような彼が夏を連れて帰ってくるのを楽しみにしていた。
その日のノートを受け取り、一時間目が始まる前に少しだけ、と国語のノートを開く。
すると今までになかった長文が、1ページにわたって書かれていた。
不思議に思い、他のノートも開いてみると、珍しく何も落書きがされていない。
「……?」
再び国語のノートを開こうとするとチャイムが鳴ってしまった。
その日に限って、移動教室などでなかなか時間が取れない中、昼休みにようやく奏は伊月の書いた手紙を読むことができた。
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