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早朝の悪夢
<親戚一同様
お久しぶりです。
松山恵子(まつやまけいこ)の息子、洋介(ようすけ)です。
今度、高校三年になります。
祖母の文江(ふみえ)とのふたり暮らしも十二年になります。
今日、手紙を書いたのは、親戚のみなさんにどうしてもお伝えしたいことがあったからです。
僕、フィアンセができました。
遠野恭子(とおのきょうこ)さんっていいます。
コーポの隣に住んでます。
来年の二月十四日のバレンタインデーに、きちんと婚姻届提出するつもりです。
僕のフィアンセは、かっこいいです。制服がピッタリで、だれでも見とれちゃうって思います。
本当です。
僕のフィアンセは十八歳・・・>
大きなホテルのロビー。ソファにもたれて、僕らのこと待ってた母の親戚たち。二十人以上いる・・・
僕からの手紙読んで集まったんだ。
みんな同じ表情。不思議そうに僕のこと、見つめてる。
「洋介君。君のフィアンセはかっこよくて、だれでも見とれちゃうと言ってたな」
祖母の兄。大伯父の息子の高崎の叔父さん。高校の教頭先生。次期校長って話。
「そのフィアンセというのはどこにいるのかな?」
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