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『碧山学園高校』は男子学生は、昔ながらの学ラン、女子学生は、紺のベストに紺のスカート、白いブラウスに紺のネククイ、紺ハイソックス、茶系のコインローファーの革靴、紺のベストの上には紺のアンサンブルタイプのブレザーを羽織る。
そして、正式行事のみらしい(入学式、卒業式など)が、可愛い紺のベルー帽を被るなかなか清楚な制服だった。あたしは、小、中学とバスケ部だったから、身長が、高1女子でも165cmあった。
だからか、真新しい『碧山学園高校』の女子学生の制服は似合っているつもりだった。
髪の毛は、昨年、バスケ部を卒業してから伸ばし始めて、現在、ショートボブって長さ。ゆくゆくは、肩甲骨のした辺りまで伸ばす気でいた。
パパがさっきの入学式参列の話を、おもむろに切り出してきた。
「葵…悪いな。パパ、朝から会議続きなんだ。 すまない。参列
出来ないんだ。」
あたしは、半分わかっていた。
「だよね。パパは会社の課長さんだもんね。 葵、わかってる
よ。」
あたしは、パパに微笑み返した。
ママが次に、参列の話をしてきた。
「葵…ママも、今の会社の事務に、パートで採用されたばかり
で…お休み取れそうになくて…。ごめん。」
あたしの期待は『根底』からひっくり返し返された。
あたしは、15歳。『反抗期』真っ盛りの多感な女の子だった。両親がどちらも来ない。入学式の記念写メは?
なんか、悲しいやら腹が立つやら…。
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