第2限目:えっ? ライン…知らないのぉ?

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第2限目:えっ? ライン…知らないのぉ?

あたしは、自分が今日、入学式に臨む『県立碧山高校』の最寄り駅まで、朝の通学電車に乗り、スマホにイヤフォンを接続し、あたしの好きな『いきものがかり』の新曲を聞きながら、 路線から見える太平洋の海原を見ながら『いきものがかり』の新曲の歌詞を口ずさんでいた…。 そんなリラックスした電車内に、突如 ガダガタカダーン! と、あたしの乗る通学電車の車両付近に轟音が鳴り響き、衝撃が走り、通学電車は、緊急停止した…。 後に、あたしが気づく『不可解な出来事』に遭遇したのだった。 あたしは、完全無防備のままに『慣性の法則』に従い、前方の座席に付き放たれた。 そして、座席に後頭部をぶつけ、そのまま…暫く…気絶した…ようだった…。 どれくらいの時間がたったのだろう? あたしは、あたしと年齢の近いくらいの女の子に、声を掛けられ続けていた。 「ねぇ?大丈夫?ねぇ?ねぇったら!ねぇ?」 あたしは。後頭部に、ちょっぴり痛みを感じながら、その声の主の方向に、目を開いた。その女の子は、あたしと同じ『県立碧山高校』の制服を着ていた。特別行事用の『ベレー帽』も、 きちんと被っていた。 「た、助けてくれて…ありがと…。もう、大丈夫だから…。」     
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