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「そうやって君は、いつも優等生面で、誰が相手でも上から目線だよね?」
「そんなことはないっ!」
「ほら、今だってそう。自分は悪くないっていう顔してるし。」
その煽るようなチャートの物言いに、思わず立ち上がろうとしかけるスレイト。
しかしそれは彼の思惑通りの動きだったらしく、その光景に鼻を鳴らしながら再び左手を上げた。
(こいつ魔法力では全然俺に適わないのに、人をいらだたせることだけは天下一品だな。)
電流が来るであろうことを予測したスレイトは目を閉じ体を固くする。
だが予想に反して電撃が流れてくることはなかった。
どうやらガラス窓向こうに映る人物が首を横に振って頑なに拒否をしているらしい。
その仕草にふうとため息をついたチャートは胸に付けた小さなピンマイクに向かって言葉を投げつけた。
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