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「ネイスっ!ボタンを押してっ!」 「い、いやだっ!これ以上したら、スレイトが死んじゃうっ!」 癇癪を起してしまったような物言いに思わず嘆息を漏らすチャート。 しかし、ネイスの扱いに慣れているのか、怒鳴ることはせずトーンを抑えた声音で優しく諭すように言い含める。 「ばかだなぁ。普通の人間ならそうかもしれないけれど、彼は魔界人だ。それに僕たちは計り知れない強さも持っている。気絶することはあるかもしれないけれど、死ぬことはないよ。」 「で、でも…」 (隣の部屋にいるのはネイスなのか。) 相手がわかったスレイトはチャートが身に着けているピンマイクに向かって、なんとか思いが届く様に精いっぱいの声を張り上げた。 「ネイスっ!やめろっ!」 「ご、ごめん、スレイト。」 「なんでこんなことするんだっ!俺はお前をいじめから救おうとしたんだぞっ!なのにっ!」 「・・・」 そう叫んだ瞬間、スレイトの目の前にチャートが呆れた顔で立ちはだかる。 「だから、それが優等生面なんだって。」 「何がだよっ?」 「相手のためを思っているのかもしれないけど、スレイトがしていることは、逆に相手を侮辱しているんだよ。」 そう言い終わると同じほどに、今度は左手も上げていないのにいきなりスレイトの身体を電流が走った。
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