拉致監禁

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次に案内されたのは小さなパティオだった よく手入れされた植栽が施され、小さいとはいってもそれなりに趣きがある 外の風が心地よい 蒸し風呂のあとは水風呂を使うことが多いが、気候が良い季節にはこうして屋外で身体を休める事もある パティオの一部に木の床が作られていて、水がはける様になっていた 美しい組み木細工のカウチが用意されていて、そこに横になるよう促される 柔らかな布をかけられ、カウチに身を任せると、衣装の違う小姓が現れ、飲み物は何がいいかと聞いてきた ふと思い立ち 「…オレンジを浮かべた冷たいハナ茶と、温めた軽めのワイン。それから何かつまめるものを」 と、無茶振りしてみたところ 「かしこまりました。お飲み物を先にお持ちしますのでしばらくお待ちくださいませ」 と深々と礼をして立ち去る
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