紅薔薇の君

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…この浴室は、贅沢ではあるが、シンプルでそれが美しい調度はアイボリーと金が基調で、あちこちに寄木細工があしらわれている花やハーブも甘いものよりさっぱりとして清廉な植物が多く使われているし、中庭の植栽もきちんと刈り込まれているタイプだ。浴室小姓のお仕着せも趣味がいい「もう一度、お湯に入られますならば、差し湯いたします。それとも新しいお湯になさいますか？」そう話しかけられて、我にかえった

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