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「…いや、もう湯浴みはおしまいにしようかな。髪を乾かしてくれないか」
「かしこまりました」
小姓達がタオルの籠を持ち込み、髪を乾かしていく
その間に、手指の爪が整えられ、磨かれて、肌には香りの良い油がぬられる
用意された衣類は、高位の貴族の普段着だった
ぼんやりとしている間に小姓達がテキパキと身繕いしていく
ゆったりとしたシルクのチェニックにストッキング、ビロードのトランク・ホーズ(膝丈ズボン)、ビロードに刺繍を施した袖のないジャケットを太めのサッシュベルトで締め、髪を一つにまとめたその姿は既に傭兵のレッドではなく、クリムゾン殿下だった
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