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「そんな…ラズル……。……だって、もしそれで、あなたに何かあったりしたら……」
彼のことが、心配にもなるのに、
「……おまえのためだ、ルキア……」
と、ラズルの手がふと頬に触れて、
「……おまえの前では、私は、ヴァンパイアではいたくない……」
唇がそっと重ねられた。
だけど、すぐに唇を離してしまう。
「……口づけると、おまえを傷つけてしまう……」
牙があたった唇の端から、血が滲む。
血を拭わずに、そのまま口づけを返した。
「いいの…もっと、キスして……」
唇に付いた私の血を、ラズルが舌で舐めて、
「……おまえの血は、甘い気がする……」
と、呟いた……。
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