第一章 緑衣の騎士への招待状

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 それにこの召喚状、いや招待状を読んだネウィルは、どこへ何をしに行ったのか?   おまけに、『シャフラ』とは、確かに女性の名前だ。  銀龍女公とは間違いなく女性で、女性からネウィルへの招待状なんて、悪い胸騒ぎしかしない。  でも、たぶんきっと、ネウィルはその『危難』を防ぎに行くのだろう……。  ほの暗い玄関広間の真ん中に突っ立ったまま、メルはあれこれと思案に暮れる。  つい時間の経つのも忘れて考え続けるメルの耳に、年長の女性の声が聞こえた。 「ただいまー。遅くなってごめんなさいね」  ふっと現実に引き戻されたメルは、招待状を封筒に戻し、肩のバッグにしまい込んだ。  そして振り向くと、深緑の軽快なワンピースに身を包んだ女性が立っている。  栗色の長い髪をきっちりと結い上げた、年長の美女。  落ち着き払った佇まいながら、どこか悪戯で活発な印象が漂う。 「あ、お母さま。お帰りなさい」  メルの母テオファナだ。  手には質素な麻布のバッグを両手で提げている。  何が入っているのか、ずっしりと重そうに映る。 「あら、メルローチェ。あなたもお帰りなさい。お勤めご苦労様でした」  にっこりと笑って娘をねぎらった母親だったが、すぐに玄関広間を見渡して、こう聞いてきた。     
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